コラム

 第31回 ひやおろし解禁日 (2007.8.8)

 梅雨が明け連日猛暑日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。私自身は、体が弱らないようにするため、また地球環境等を考え、なるべくクーラーを使わない生活を心がけております。また、近距離の移動は自動車を使わず、自転車を使うようにしております。ただ、今年の暑さも昨年同様厳しいですね。ここまで暑いとやはりビールでしょうかね。本当の酒通は、夏場にお燗で日本酒を飲むことだと聞いたことがあります。私はここまで暑いと、お燗ではあまり飲みませんが、冷えた日本酒を毎晩飲んでおります。

 さて、日本酒造青年協議会(日青協)では5月29日に通常総会を行い、毎年重陽の節句でもある9月9日を「ひやおろし」の解禁日とする提言を行いました。日本酒造青年協議会とは、全国の若手経営者で構成される組織で、現在宮城県の佐浦弘一氏が会長を務めております。私も埼玉県の代表者として同会の代表幹事をしており、会のさまざまな企画に携わっております。

 なお、ひやおろしとは夏を越し秋に外気と同温程度に酒が冷えた頃、貯蔵桶から樽に加熱処理しないでそのまま詰めて出荷したということが語源のようです。日青協としては、ひやおろしを「厳寒期に醸造した清酒を一夏越して調熟させ、秋口に入ってほどよい熟成状態で出荷するもの」とし、厳密な定義については今後検討を深めていくということになりました。

 近年、ひやおろしは一部のスーパーマーケットなどで8月に販売されるなど、メーカーの出荷時期が早まる傾向にあり、ひやおろしの季節感が希薄になっております。9月9日に解禁日を設けることは、消費者に話題を提供し、日本酒の需要を喚起するという狙いがあります。

 ある業界紙で日青協が提言したひやおろしの解禁日が取り上げられ、紙面上ではその是非が問われました。記者の指摘するように、解禁日については今後十分に議論しなければならないと思いますが、多少誤解があるような気がします。

 解禁日否定派の方々の意見は、酒蔵によって酒の熟成状態が異なり、9月9日に一斉に発売するのはおかしいということです。私もその通りだと思います。貯蔵酒の味が程よく熟成するのは9月中旬かもしれませんし、10月下旬かもしれません。また、同じ蔵であったも酒の種類により熟成の速度は異なります。

 どの酒もひやおろしとして9月9日に一斉に発売しましょうというのなら、これは明らかにおかしいことですが、日青協が提言するのは9月9日を解禁日とし、この日以降に出荷しましょうという提言です。10月に出荷するべき酒を9月9日に出荷しなさいというものではありません。8月にひやおろしを販売していたならば、それをを9月9日まで待ちましょうというものです。

 この提言の本質は「季節感を守る」ことなのです

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